くらす・はたらく

日常にとけ込む海街の憩いの場「カフェくじらぐも」

2020.10.22(木) 働く人  

JR逗子駅から海岸方向に向かって歩みを進めると、海に続く道の中ほどに青空に映える白い建物が見えてきます。ここがカフェくじらぐも。自然体という言葉がぴったりな海街の日常にとけ込むカフェです。

「カフェでのんびり」って理想的な過ごし方のようで、実際は周りの会話や作業音など「のんびり」を邪魔するものが溢れていて、本当ののんびりってハードルが高いですよね。カフェくじらぐもではそんな周囲の音までもが、海辺の街のワンシーンとしてカフェでの肩肘張らない素敵な時間を彩っています。

逗子市街地から海岸へ進み、ちょうど視界に海が見えてきたあたり。海へ向かう人と海から戻る人とが行き交う光景の中に「カフェくじらぐも」があります。周囲は住宅街、近くに学校があることもあって、カフェの周りをいかにも日常的な光景が包んでいます。

逗子の朝は少し早め。それに合わせてお店のオープンは朝6:30。逗子海岸で行われるラジオ体操や仕事前の波のり、朝の海岸散歩など逗子のライフスタイルに合わせてお店も開きます。タイミングによって訪れるお客さんはガラッと変わります。登下校時間には近所の学校の保護者の方々の団らんの場に、夏場には逗子海岸への一本道にあることもあって海水浴客のオアシスになります。

自慢のコーヒーを手作りベーグルとともに

お店のメニューには自家製のベーグルやサイフォンで淹れたスペシャルティコーヒーなどが並びます。「喫茶店を開く」という夢を叶えるためにコーヒーマイスターの資格も取得したオーナーの松島さん。コーヒーはサイフォンでオーダーごとに一杯一杯丁寧に入れています。サイフォンでコーヒーを入れる様子は、ずっと見ていても目を飽きさせません。

自慢のコーヒーをに合うフードメニューを考えたときにベーグルが思い浮かんだと言います。「出来合いのものではなく、自分の手で作りたい」という思いからひとつ一つ手作りで作っています。他にも食事やソフトクリーム、スイーツなども揃っているので、タイミングに合わせて一日中いつでも行けるのが嬉しいとこ。

逗子だから思いついた、この名前

カフェくじらぐもを訪れるとまず目に入るのがのパステルカラーで彩られた「くじらの絵」と聴き馴染みのある「くじらぐも」という名前の響き。「くじらぐも」は国語の教科書にも載っているため、多くの人が子供の頃に聞いたことのあるのではないでしょうか。

「逗子の環境があってこの名前が思い浮かびました。逗子じゃなかったらこの名前にはならなかった思います。」

お店の名前は逗子で喫茶店をやると考えた時に思い浮かんだと言います。海、青空、雲が揃った逗子の街とお店の雰囲気に抜群に合った名前。海に続く青い空と流れる雲を眺めていたら、その名前が思い浮かぶのもわかる気がしてきます。

海の近くということもあり、お客さんとの会話も自然と海に関することになるのも逗子らしいところ。今朝の海岸や波の様子のやりとりは常連さんとのお決まりのトークテーマのようです。取材で伺った時もちょうど登校中の小学生や散歩帰りの年配の方がお店にいる松島さんに向かって声をかけていたのが印象的でした。

お店のあり方が自然だから、お客さんや近所の方も自然にふらっと訪れやすいお店なのではないでしょうか。ほぼ毎日来てくれるお客さんもいらっしゃるとか。

オーナーの松島さんは「全てのお客さんがこのお店にとってなくてはならない役割を持っているんですよ。」と嬉しそうに話します。入口のカウンターに飾られた写真も常連のお客さんが撮ったものだそうです。

いい具合に、街に影響を受けている

オーナの松島さん。元々は都内で図書館司書をしていました。

──逗子でお店を開こうと思ったきっかけを教えてください。

元々は喫茶店巡りが好きで、いつかは自分でもカフェを開いてみたいという想いがありました。やるからには自分が居心地いい土地、楽しめる土地がいいなという思っていたところ、最初に逗子の物件候補に出会えたんです。偶然の出会いでしたが海が近くにあるし自分がそこに住んでても飽きないだろうなと思いました。東京で仕事とプライベートを分けて生活していたときとは違って、仕事も含めた日常を逗子では楽しめる気がしました。

──店内に飾られた絵本には元司書さんならではこだわりがあるんですか?

絵本に限らず、大人も子供も楽しめる本を選んでいます。お店の雰囲気を作りに一役買ってくれていますね。

──2018年4月に開店されてから2年以上経ちましたが、移り住んでからの逗子の印象を教えてください。

移住前は「町になじめるかな」とも思っていたのですが、移住してみたらやりたいことがどんどん増えて行きました。都内にいたころと比べると身近に遊びがある増えたと思います。遊びといってもも運動をともなう遊び。お客さんの薦めでSUPを始め、地域の駅伝に誘ってもらったり、いい具合に街に影響を受けています。

──今後、逗子でやってみたいことはありますか?

今後このまちで何をしたいということよりも、今よりもっとこの街に溶け込みたいという思いがつよいですね。

青空の中にとけ込む真っ白な「カフェくじらぐも」の建物。まるで雲のように、優しく穏やかな空間が店内には広がっています。お店の前を通りかかると、ふと呼び止める声が聞こえてくるかもしれませんよ。

「おうい。 ここへおいでよう。」

 

 

基本情報

住所 神奈川県逗子市新宿2-2-1 
アクセス JR横須賀線・湘南新宿ライン「逗子駅」または京急「逗子・葉山駅」から徒歩10分
電話番号 046-895-4161
営業時間 営業時間 6:30〜日没頃(*金曜日は6:30〜12:00)
定休日 火曜日
HP https://www.facebook.com/caffe.kujiragumo/

ライター紹介

Kentaro Ito

鎌倉市出身。訪日旅行メディアの創業期、地域PR映像制作プロジェクト、訪日プロモーション企画、国際スポーツイベント関連など、ツーリズムと編集を軸にしたフィールドにいます。海と山に囲まれた観光地で育った経験から、自然・文化を活用した体験コンテンツやオーバーツーリズム解消策が目下の関心領域。

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