移住者の気持ちは移住者が1番理解している。音声で届ける、逗子移住者の気持ち。
2023.04.04(火) 暮らす人
逗子に突如現れたインターネットラジオ番組「今夜もベロキチ」。
SpotifyやApple Podcastで週2〜3回配信を行っており、逗子市長桐ヶ谷さんをはじめとした逗子に関わる著名な方々もゲスト出演しているローカルラジオ番組です。
コンテンツ企画や音声編集を行いながらプロジェクトリーダーを務める村山さん(ゆたぴー)に、今夜もベロキチ誕生の背景やその目的、これからの取り組みについてを代表してお話しいただきました。
逗子に住み始めたのは、友人が住んでいたから。元々逗子を知らなかった。
──ゆたぴーとの出会いは、ゆたぴーからの唐突な1通のメールからでしたね。そこから一緒に飲みに行ったりして今の関係性になりましたが、いつから逗子にきたんですか?
その節はすいませんでした(笑)
僕が逗子にきたのは、2020年の夏頃です。コロナが猛威を奮いはじめて、職場がリモートワークになったことをきっかけに引っ越してきました。
──リモート推奨になってから逗子にきた人は多いですよね。
僕もその中の一人でしたし、当時は逗子に限らず引っ越しをする人はかなり多かったですよね。
──そんな中で逗子を選んだ理由はなんですか?
友人が住んでいたんです。小学校からの友人で、もう25年以上の付き合い。コロナ前からちょこちょこ遊びにきていて、「うわ〜こんなところに住みたいな〜」っていうのはずっとあって。元々沖縄が好きで、海沿いの暮らしは理想だったんです。
──友人がいると安心感が全然違いますよね。
ほんとにその通りで、それまで逗子の存在すら知らなかったのに、たった一人知ってる人がいるだけで「よし、引っ越そう」って思えたので、友人には感謝です。
──実際住んでみてどうでした?東京からきたんでしたっけ?
品川区に住んでいたので、いわゆる都心ですよね。住みたくて住んでたというより、職場が東京だったから渋々住んでたというのが本音で。
東京暮らしを経験した人ならわかってもらえると思うんですけど、ずっと忙しないですよね。人は多いし、新しい建物がどんどん建つのを見てると、頑張って常に変化しようとしてるというか。
家にいてもなんか落ち着かないこととかもあったし、「まるで東京っていう寮に暮らしてるみたい」って思ったり(笑)
だから、ほんとに逗子にきてよかったなって思いましたよ。
──やっぱり自然があったり、海があったのが大きいですか?
よく言われることだと思うんですけど、海があって山もあって、空も広いって何にも変えられないなって。
別になにかするわけでもないんですけど、心が洗われる。ここにいるだけで心が満たされる。生きるってこういうことだよな〜とか思ってます(笑)
きっかけは、久木の居酒屋「ベロキチ」。最初は、ただ飲みにきていただけ。
──他によかったことはありますか?
人のやさしさがなんかもうすごい。都会じゃ考えられないくらいにやさしさに溢れてるなって思いました。フレンドリーとはまたちょっと違うというか。
──どこでそう感じたんです?
まさにこのインターネットラジオが生まれた場所でもある、久木の居酒屋「ベロキチ」での出会いからですね。
家から近いし安いっていう理由で、普通に飲みに行ってただけなんですけど、そこで出会う人がすごいいい人ばっかりで。
ずっと逗子に住んでる人も、逗子に移住してきた人も、みんなやさしい。
このやさしさは、元々その人が持ってるものだとは思うんですけど、逗子に住んでるからだろうな〜って思ってましたね。
──逗子に住むとやさしくなれるんですか?(笑)
そうですよ(笑)
のどかで穏やかな場所にいると、人にやさしくなれるんだなって思います。
良くも悪くですけど競争がそんなにない。どっちかといえば共存に近いような気がしていて。そういう意識や環境が、やさしさを生み出してると思ってます。
ローカルだからこそできた「仲間」。インターネットラジオが生まれた瞬間。
──「今夜もベロキチ」のベロキチは、さっきの居酒屋のことですよね。どうして「今夜もベロキチ」って名前になったんですか?
ベロキチで出会った移住者でやっているインターネットラジオ番組だからです。
ただの居酒屋で出会った仲間でラジオやるとか、すごくないですか?(笑)
──たしかにすごいです(笑)飲みの場で「一緒になんかしましょう!」って言っても大体実現しないですもんね(笑)
そうなんですよ(笑)
うわべだけの関係で、社交辞令的に言うことはあると思いますけど、実際に実行に移すことってほとんどない中で、ベロキチで出会ったお客さんはほんとに一緒にやろう!ってなったんです。
──都会じゃ考えられないですか?
僕はそう思います。ローカルだからこそだと思っているし、なんでローカルだからなのかな?って考えたことがあって。
──どういうことです?
例えば、新宿から渋谷に引っ越すのって、単純に便益とか住みやすさとかの問題で決めてることが多いと思うんです。
でも、新宿から逗子への引っ越しとなると、覚悟が違うっていうか。
生活環境が大きく変わることを理解して、デメリットもわかった上で引っ越しをしていると思うんですよね。
そんな人たちだからこそ、住んでいる場所への愛も深いと思うし、実行に移せたんだと思ってるんです。
──なるほど。それで、インターネットラジオはいつからはじめたんでしたっけ?
2022年12月20日くらいに、仲の良い移住者のベロキチ常連仲間2人に「ねえ、ラジオしようよ!」って言って、「めっちゃいいね!やろうよ!」ってなって、初収録したのが12月25日(笑)
──はやすぎです(笑)
「僕たちは全員逗子移住者でベロキチで出会った仲間だから、『今夜もベロキチ』ね!ベロキチとか逗子の愛とか日常を届けよう!」というコンセプトで、すぐにはじめました(笑)
──企画とか編集とかはどうしたんですか?
幸い僕がコンテンツの企画をしたりする仕事をしていることもあったし、メンバー全員が偶然広告・クリエイティブに関する仕事をしていたこともあって、特になんかルールつくったりしたわけでもなく、サササーって感じで。
音声編集は昔に少ししたことがあったので、同じように流れでサササーって感じで。
すり合わせとかもそんなにしなくても通じ合えたっていうのも、これだけ早くできた理由な気がします。
調べてもわからないコト、それは「空気感」。逗子移住者の声を「聞ける」唯一の存在に。
──いろんなコンテンツがあると思うけど、結局「今夜もベロキチ」は何を届けたくてやってるんですか?
一言でいうと、「空気感」かなと思っていて。
調べたらわかることは、調べたらわかるんですよね。逗子ってどうやって行くのかとか、家賃相場どのくらいで、どんなお店があるのか、とか。当たり前なんですけど。
でも、「空気感」って、調べようがないじゃないですか。
「逗子 空気感」って調べても何も出てこないじゃないですか(笑)
──言われてみればそうですね。インターネットラジオを通じて、逗子移住者のリアルな生活の様子を届ける、ということですね。
実際にどんな人がどんな風に住んでいて、どんなことを考えてるのかって、移住を検討している人なら気になると思ったんです。
さっきも話しましたけど、僕が逗子に引っ越したのも友人が住んでいたからで、その友人の「空気感」を知れたからこそだとも思っていて。
今度は僕たちがそれを届ける番なんじゃないかな?って考えたんです。
──でも、なんでインターネットラジオなんですか?
いろいろ理由はあるんですけど、まず、動画は編集が大変だからです。実は僕、映像制作の会社をやってるんですけど、だからこそしんどさを知っていて(笑)
じゃあテキストメディアだとどうかっていうと、さっきの「空気感」が伝わりきらないんじゃないかな?って思って。
メンバー全員がお酒を飲みながら喋るのが好きなので、せっかくだからそういう感じが出せないかなと思って、それで「音声だ!」って思いついて。いろいろ調べてみたらズシレコっていう逗子に特化したポッドキャストがあったんです。
──知ってます。有名ですよね。
めっちゃ聞きやすいし、空気感も伝わってくるし、やっぱり音声イケそう!ってなったので、みんなに「ラジオしよう!」って言ったんですよね。
──ズシレコとは何が違うんですか?
ズシレコは逗子生まれの方がやってる、ちょっとニュースメディアに近いものだったんですよね。イベント情報だったり、おいしいお店情報だったり。
僕たちは、逗子移住者がやっている音声メディアだし、僕たちの生活そのものがコンテンツでありながらキャラクター的にはバラエティ寄りだと思っているんで、そこが違いですかね。
ちなみに、ズシレコ編集長のきじーさんとは何回も会ってて、朝まで飲み倒してるくらいめっちゃ仲良くさせてもらってます(笑)
「同じ音声メディアだけど趣旨や強みが違うから競合じゃない。むしろ同志だ!一緒に盛り上げていこう!」って感じで、イベントとかも一緒にやるんです。
こうやって新参者でも受け入れてくれる逗子のやさしい空気感、ほんとにたまらなく好きです。
移住検討者だけじゃない。逗子在住者同士を結びつけることも僕たちにできること。
──主には移住を検討している人に向けたインターネットラジオだと思いますが、他にもあるんですか?
逗子移住者同士のつながりを生み出すことも目的にしています。
というのも、繰り返しになるんですけど、僕たちも元々はただの移住者で、幸い僕は友達が1人住んでいたけど、それ以外には何もなかった。
でも、ベロキチに行きはじめていろんな人と出会って、そこからインターネットラジオも生まれてる。
まさに、僕自身の人とのつながりが増えたからこそ、今があるんですよね。
無理に「みんなと仲良くなろう!」って言いたいわけではないんです。
でも、もし逗子にきた移住者の中に、「友達がほしいな〜」とか「一緒に飲んでくれる人できたらな〜」って思う人がいるのであれば、僕たちがそのきっかけとなっていきたいと思っているし、僕たち自身もそうしてまた新しいつながりができることで、さらに逗子移住を検討している人に何かを届けられるかもしれない。そんな思いでやってますね。
──逗子に元から住んでいた人たちに対して何かしたいこととかありますか?
大前提として、既に逗子に住んでいるみなさんには感謝しかなくて。
僕たちのラジオっていろんなゲストの方に出演いただいているんですけど、昔から逗子に住んでいた人たちにもたくさん出てもらってるんですよね。
しかも、その人たちと僕たちをつないでくれてるのは、元から住んでいた人たちが多くて。
だから、なにをしたいかと言えば、僕たちが身を持って感じている逗子に溢れる素敵な空気感を、ラジオを通して伝えていくことに尽きるのかなって思ってます。
それが、ずっと逗子に住んでいる人たちにとっても有意義なことになると信じています。
「聞く」から「行く」へ。「今夜もベロキチ」が作り出す世界。
──今はインターネットラジオがメインだと思いますけど、ゆたぴー見てるともっといろいろやりたいことがありそうですよね(笑)
さすがですね(笑)
なんやかんや言ってますけど、移住ってやっぱり簡単なことじゃないと思うんです。
いくら音声で配信したとしても、意思決定するに値するものになるかわからない。
だから、まずは届けることをやり続けようと思っていて、僕たちのできる範囲の中でたくさんいろんなコンテンツを届けたいと思っています。
でも、それでもまだ足りないとも思っていて。
──音声には音声の限界がありそうだ、と。
その土地の良さって、どこまで行っても「行かないとわからない」と思うんですよね。
逆に言えば、百聞は一見にしかずじゃないですけど、「一度来て貰えば伝えられる」と思ってるんです。
それくらい逗子は魅力に溢れる場所だと思っているので、来てもらう仕掛けをつくろうと思っていて、いろいろ今企画中なんです。
──ビーチランニングしたいです!っていうのがゆたぴーからの最初の連絡でしたもんね。
ビーチランニングもそうですし、他にもいろいろ逗子に来たくなるようなイベントを企画して、逗子アートフェスティバルへの出展とかは具体的に今進めてるところです。
インターネットラジオというonlineをきっかけに、逗子というofflineにつなげていくことができれば、きっと逗子市外の方にとっての関係人口を増やすことになると思っています。
とにかくいろいろと逗子にくるきっかけづくりをやろうと考えてるので、加藤さん、これからもよろしくお願いします!(笑)
──今日はいろんな話が聞けてよかったです。これからも頑張ってください!そして、一緒に頑張りましょう!
逗子の居酒屋で偶然出会った、逗子移住者3人による、日常系ゆるラジオ。
・ラジオ https://anchor.fmzushi-radio
・お便り https://onl.sc/RtWazNQ
・居場所 https://onl.sc/VGW4w7v
・インスタ https://www.instagram.com/konyamo_verruckt/
パーソナリティ
たけちゃん(44♂) 二日酔いが怖い広告屋の1児パパ
りっちゃん(29♀) YouTube200万人の声デカ女の子
ゆたぴー(33♂) 大体飲んでるITベンチャーMBAマン
ライター紹介
加藤慶一
一般社団法人Regional Sports 代表。鹿児島県出身、逗子市在住。夏は漁師さん並に真っ黒になります。いろんなところで、いろんなプロジェクトに関わるパラレルワーカーです。企画大好き。逗子の魅力を発信していきます!